そのような子どもたちが、家庭環境そして地域社会で育まれるための環境整備に関する事業を行うことで、次世代育成に寄与することを目的として2010年12月にNPO法人キーアセットを設立しました。
長年に渡って、児童養護施設などの施設の皆さんは一生懸命子どもや若者の育ちを支えています。
でも、地域社会に根差した家庭を必要とする子どもや若者には、養育家庭が必要なのです。
子どものニーズは様々です。
私たちキーアセットは、それぞれの子どもたちのニーズに合った養育里親家庭で健やかに育つことができるよう、愛情もって育んでくださる養育里親を増やし、養育里親をサポートする活動を行っています。
ある一定期間家庭に迎え入れて愛情をもって養育するのが、養育里親です。
養育里親制度は、必要な子どもたちが里親家庭で健やかに育つことを保障する子どものための制度です。
NPO法人キーアセットは自治体等からの委託を受け、養育里親の新規リクルートから委託後まで包括的養育支援(フォスタリング業務)等の活動を行っています。
養育里親家庭と力を合わせて質の高いケアを提供していくことで、家族のもとでの育ちの機会を失った子どもと若者の現在と将来にポジティブな変化を生みだせる環境を整えることが私たちキーアセットの大切なミッションであり、その達成を日々目指します。
私たちは、”家庭”と子どもの可能性を信じています。
だからこそ、子どもと若者そして養育里親家庭に対して、誠実さ、敬意、そして情熱をもって行動します。
私たちは、子どもに家庭生活のなかで帰属感と安心感を持ってもらいたいと願っています。
そのために、彼らが安心できる環境で、彼らの声に耳を傾け、彼らの強みに注目し、
そして小さな達成感を積み重ねられるよう努めます。
その中でも、私たちは子どものニーズを最優先に考えます。
一人ひとりの多様性を重んじ、責任感をもちつつ助け合いながら挑戦を続けます。
私たちは、常に挑戦し、子どもの為ならなんでも改善を働きかけたいと願っています。
でも私たちはなによりも安全を最優先させます。
経験と研究に基づいて行動しつつ、文化的な配慮も大切にします
私たちは、地域社会と協働してこそ養育里親家庭で子どもは育つと信じています。
だからこそ、地域に敬意を持ち、誠実にその地域の状況にあわせて
質の高い養育里親によるケアを提供できるよう努めます。
代表の思い
ある保育所で、子どもと先生の間でこんなやりとりがありました。
– Aちゃん:「先生、セミさん動かない」(弱った蝉を捕まえて)
– 先生:「そうだねぇ、セミさんしんどいのかな?」
– Aちゃん:「しんどかったら、おうちにかえらないと。おうちにかえって抱っこしてもらったら元気になるよ」
保育所の子どもの年齢でも、既に自分が疲れた時、つらい時にはどこで休めばまた元気になるのか経験で知っています。私たちは、大人として子ども達に健やかで自分らしい生き方が出来るような大人になってほしいと願います。その育ちのプロセスには、Aちゃんの経験したような元気になれる場所“家庭”が必要なのです。養育里親家庭が地域社会に広く根差すことで、実親のもとでの“育ち”を失った子どもたちも“家庭”で育まれることができます。そのような養育里親家庭が日本中に広がることを私は心から願っています。
NPO法人キーアセット 代表
渡邊 守